旬の食材

水無月(六月)

鱧(はも)

鱧は、沿岸部に生息する大型の肉食魚で、京料理には欠かせない食材です。

“ハモ”という名前の由来には、「食む」(はむ)に由来するという説、「歯持ち」に由来するという説、中国語の「海鰻」(ハイマン)に由来するという説、マムシに似ているところから、「蝮」(ハミ)に由来するという説、食感が「はもはも」しているからとする説など、諸説あるようです。

京都では生活に密着した季節の食材で、特に暑い季節に長いものを食べると精力がつくとして、祇園祭が行われる夏の味覚の代表としてよく食べられています。

鱧をよく食べる文化が京都に広まった理由としては、鱧は生命力が強いので、輸送技術の発達していなかった時代でも大阪湾や明石海峡で採れた鱧を内陸の京都まで生きたまま運ぶことができた、ということが大きいといわれています。

鱧は長くて硬い小骨が多いため、腹側から開いて身の下にある皮を切らないように細かい切り込みを入れて小骨を切る「骨切り」という下処理が必要です。

この骨切りは、味や食感が落ちないように身を潰さずに切る熟練の技が必要で、京料理の板前の腕の見せ所であり、「鱧の骨切り 手並みのほどを見届けん」という句があるほどです。

「一寸(約3cm)につき26筋」包丁の刃を入れられるようになれば一人前といわれています。

また、骨切りをした鱧を熱湯に通して白い花のように開かせたものを「湯引き鱧」または「牡丹鱧」といい、梅肉や辛子酢味噌を添えてそのままいただいたり、お吸い物、土瓶蒸し、鱧寿司、天ぷら、鱧の蒲焼や唐揚げなど、さまざまな料理に用います。