旬の食材

皐月(五月)

明石の真鯛

日本では、古くから上質な魚として扱われてきた鯛。江戸時代には「魚の王」とまで言われるようになりました。その中でも「日本一の鯛」と言われる明石の鯛。生息地の兵庫県明石海峡は、潮の流れが激しく、背骨の後方が肥大化してコブ状になった「鳴門骨」「鳴門コブ」と呼ばれるものがあるのも外海で荒波にもまれてよく運動していたためで、その身は引き締まり、プリプリとした弾力があります。

また、このエリアには、エビ、カニ、タコ、数々の魚が豊富に棲息しており、これらを餌とする鯛の身肉には、エビ、カニ、タコなどの旨味成分であるタウリンが多く含まれ、さらに、味のコクを左右するイノシン酸やクレアチン、クレアチニンが旨味を増加させています。ちなみに、鯛の鮮やかな紅色は、エビやカニに含まれるアスタキサンチンと言う色素が体表に現れるからで、餌であるエビやカニをたくさん食した証拠とも言えます。

鯛の旬は、産卵期前の春で、この時期の鯛は「桜鯛」と呼ばれ、産卵に備えてたくさん餌をとり、栄養を蓄え、身も肥えてきます。

 

 

銚子の金目鯛

金目鯛は、水深200メートル以上の深海に住む魚で、金色に輝く大きな目と鮮やかな赤い体色が特徴です。白身の身肉は美味で、刺身や寿司ネタとしても高級魚として取り扱われています。

特に、千葉県銚子沖の金目鯛は、冷たい親潮と暖かい黒潮がぶつかる日本屈指の豊かな漁場で育ち、豊富な餌をたくさん食べていることで、脂の乗りが良いことで知られ、他産地のものと比較しても抜群の脂の乗りとなっています。

また、銚子の金目鯛は、「銚子つりきんめ」と名付けられている通り、立て縄と呼ばれる一本釣り漁法により1尾ずつ丁寧に釣り上げられます。手釣りによって漁獲されることから魚体に傷が付かず、高鮮度で出荷されています。

 

 

小柴の太刀魚

外観が太刀に似ていることから「太刀魚」(タチウオ)と名づけられたとする説のほか、普段は深い底のほうに群れていて、朝夕の薄暗い頃に表層に浮き上がり、餌を狙って立ち泳ぎしながら頭上を通り過ぎる獲物に飛び掛かって捕食する姿から「立魚」(タチウオ)と名付けられたとする説もあります。

体表には鱗がなく、その代わりに全身が銀色に輝くグアニン質の層で覆われています。このグアニン層は、人が指で触れただけですぐ落ちるほどですが、常に新しい層が生成されることで体を保護しています。余談ですが、このグアニン層から採った銀粉は、かつてはセルロイドに練りこまれて筆箱や下敷きといった文房具やマニキュアに入れるラメの原料として使われていたようです。

当店で扱う太刀魚は、神奈川県横浜市の小柴漁港に水揚げされた「小柴の太刀魚」です。小柴の太刀魚は、昔から江戸前の太刀魚として有名で、その中でも「指5本」の太さ、極太の「スーパードラゴン」と呼ばれるものを仕入れています。